とりにくメモととりにくレポ

メモ書き用。更新は気が向いたら

当たりのシェアリング特選集.2023

悪役令嬢や私は最強というだけの話が合わず主人公やヒロインの苦しみ選び出す答えで愉悦を覚えるWeb小説が好きなタイプの読み手であり、世間の流行の狭いところしか味わえないことでお馴染みの自分。
そんな中、せっかく色々読み漁ってるし知人友人にもこれ読んでほしいし自分も他人のオススメを読みたいなという気持ちから、2年前の年末くらいに面白いWeb小説を見つけた際に「当たりのシェアリング」と銘打って共有を初め、ついでに去年は記事を書いた。

toriniku-wing.hatenablog.com

これ毎年できるくらいコンスタントに当たり見つかるのかな……と不安になりながら去年は2022と年号を振ったのだが、今年も思った以上に当たりが見つかったので再び当たりのシェアリングの特選集を書き上げた。
ぜひとも年末の帰省のお供だとかなんか暇なときの読み物とかに役立ててほしい。

今回もWeb小説のみに絞ってます。書籍版も存在している場合もありますが基本Webで読んだ感想を元に形成しています。*1
※結構な数当たりのシェアリングしていますので、もしほかが気になるようでしたらこちらの検索リンク(僕のTweetから「当たりのシェアリング」を抽出して検索したURL)をお使いください。
上記検索リンクに一部R-18もあります。気をつけてね。
試験的にネタバレをこのように暗転しています。まあ読まなくても問題はないので今回はお試しに、とだけ。気になる方はツイッタ(現X)で僕に文句言ってください

・推しの敵になったので

来月(12/20)書籍1巻が出る

連載中。
前世でオタク的な好きだった百合漫画に序盤の男ザコで転生したので、チャンスとばかりに推しヒロインを間近ではしゃぎながら見ていた結果なんか百合の間に挟まったり原作を壊したりする男の話。

ストーリーのまとまり方がかなり良い一品。
異能とそれに伴うデメリットによって好きなだけラッキースケベしたり重たい話に繋げたりと、一昔前の異能バトル系小説が持っていたいいところを百合オタクの程よい気持ち悪さと一緒に楽しめる作品。
また正義の味方VS悪の組織の戦いの割にはそこまで話が重たすぎず、明るいトーンでストーリーが進んでいくのでそういう面でも結構安心して見れるところがありオススメ。

・クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった

アニメ企画進んでるらしい

連載中。タイトルがあらすじの類の話。
元は石見舞菜香さん*2がヒロイン(左)をやると聞いてマジで!? という声とともに読み始めた話。

ヒロインが一人しか居ないタイプの小説なので、そのヒロインの可愛さがすべてを決める類の話であるが、ヒロインが向ける感情の重たさが自分によくマッチした作品。
なので、重ためのヒロインが好きな人間にオススメ。ちなみに主人公も大概ヒロインに寄りかかっているので本当にお似合いの二人である。

お互いにお互いへ寄りかかっているという関係性の都合上、立ちはだかる問題を文字通り二人で乗り越えているという感じでストーリーが進んでいくのがとにかく良い。普通のラブコメでは主人公の男が大体決めるところを、男女で結構割り振って乗り越えていくという、ある種バディ物のような爽快感がありそういう点でも結構貴重な話。
おそらく紙面Web全部含めて今年読んだラブコメの中でもかなりラブコメとしての質が高い、そんな感じの物語。

さて、ヒロインが一人しか居ないタイプと書いたものの、今Web版では大変なことが起こっている。その辺に関しては来月詳しく書きます今年は12/24に上げたいです

・魔女と傭兵

今年の春に書籍版が出たばっかり

連載中。
ハイファンタジー世界で、人々に命を狙われるのに疲れた魔女が殺しに来た傭兵を雇って新世界に旅立ってそこで冒険者として暮らす話。

今年の当たりのシェアリング内バトル系ファンタジー世界で一番血なまぐさいし、しっかりバトルする話
基本的には命の取り合いなので世界観・設定諸々が重く、そんな中で魔女も傭兵も再出発の意志を貫き通して目の上のたんこぶを葬っていくので、結構爽快感がある。
そして男一人、女一人ということでしっかりと魔女さんの重たい感情も味わえるので結構好みの作品。

とはいえ、主人公サイドがかなり強いところで俺最強系のくくりに入らなくもないという感じの話だが、重たい世界観でありバトル描写もしっかりと危機を乗り越えているタイプの話。
考え抜いたり死闘を生き残って問題を解決する話/爽快感のある戦いが両立しているという点で結構高評価もつけたところがある。

ふつおたはいりません!

この秋に書籍版が出た

完結済み。
アラサーになりヒット作もほとんどなくそこそこヤバい部類になってきた女性声優が、売れっ子JK声優と声優ラジオを組むことになった話。

上記ツイート(現ポスト)にもあるように、自分はあまり百合を嗜むことのないタイプの人間。
が、アラサー側の大人にしか出来ないアプローチ、JK側の気持ちの揺れ動き、そして何よりも声優業界で自分が売れる道の模索や、どうしようもない艱難辛苦と、それをしっかりと乗り越えようとする姿によって本当に美しい百合の花が咲いていた
マジで百合苦手だな……というタイプの人間*3が太鼓判を押すレベルの面白さというところで、NL派の人間も騙されたと思って読んでほしい作品。

・夢見る男子は現実主義者

書籍化されてるどころかこの夏アニメもやった

連載中。
中学時代からずっと片想いしてる相手にフラれても懲りずに告白し続けていたが、流石に迷惑かな……と我に帰ってアタックをやめた男子とそれにものすごい動揺したツンデレ女子のお話。

アニメから入った口の人間なのだが、アニメで大幅にカットされていたツンデレ側の内面描写が小説上だと素晴らしい動揺具合で、両片想いのすれ違いでは今年最強の一作。

導入部分がなかなかひどいのは事実だが、我に帰った主人公が(ずっと告白し続けていたというストーカー一歩手前であることを除けば)ちゃんとした男であることを示した上で、ツンデレ側の内面描写をしっかり描き続けてコイツら早くくっつけやとキレそうになる、読者の心情のコントロールはメチャメチャ上手い作品。

じゃあ内面描写の少ないアニメ版はどうなんだ、という話だが、こちらはこちらでツンデレ涼本あきほさん*4がいい演技してるしEDで気持ちを隠す気ゼロのラブソングを歌っていてそれはそれで楽しく、また1クールアニメということである程度の決着をつけているところが高評価。
書籍とアニメで二度美味しい、そんな感じの話でどっちも好き。でも僕はツンデレ娘の内面描写の濃い小説版が好き!

・全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ

連載中。
死の危機に陥ったパーティの少女たちを守るために片目と片足を失った主人公と、それによって覚悟がガンギマった少女たちの話

女の子が内面的にボロボロになる、いわゆる曇らせというジャンルに極振りした一作。
なのでそういうものが苦手な人にはおすすめできないが、主人公が前向きである中に時々交じるため息で罪悪感を覚えて支えなきゃという気持ちになる女の子は個人的に見ていてとてもいい笑顔を浮かべてしまうので、本当に僕と感性が似ている人にしか勧めにくい
が、それは絶望を乗り越えようとする姿でとても美しいのは事実なので、そういった【美】を楽しめる人には最高の作品。ここだけ抜き出すと物語の悪役みたいなセリフしか言ってないな

・他校の氷姫を痴漢から助けたら、お友達から始める事になりました

連載中。タイトルがあらすじ。

デロデロに甘い男女の話。クールな女の子が男と出会ってへにょる話が大好きだし、そのへにょり具合が本当に群を抜いていた
ダダ甘くて面白い話を読むと胸焼けして本当に胸が苦しくなる体質を持っているのだが、胸焼け胸キュンセンサーに引っかかるような甘い話で今年一番面白くヒロインが可愛かったのがこの話。
ストーリーラインとしては似たような話が多く存在しているので特段優れた点というものがないが、ヒロイン一人系のラブコメとしてヒロインがものすごく可愛いというのは最強のストロングポイント。
本当にヒロインを褒めてるだけの紹介文だがそこが強すぎるのでこんな文章が出来上がった。でもヒロインが可愛いということはラブコメにおいて最も重要な点なので問題ない

・ぎゅってしないと好きになる魔法

連載中。
お互いに嫌いあってる幼馴染同士がぎゅってしないと好きになる魔法をかけられてお互いに惹かれ合う話。

文章のテンポ感が本当に良い。今年最強どころかここ数年で読んだ物語の中でもかなり上位に来るテンポ感の良さが魅力。古典的名作で言うとバカテス*5のノリが好きな人には結構オススメできる話。
そして幼馴染同士が惹かれ合ってからの両想い状態の破壊力がとにかくすごい。テンポ感のいい文章にお互いの好きと好きをぶつけ合っているためとにかくストーリー全体が明るく仕上がっており、読了感の気持ちよさで言えば今年一番良かったまである

・やさぐれ執事Vtuberとネガティブポンコツ令嬢Vtuberの虚実混在な配信生活

来年1/20に書籍発売

連載中。
伸び悩み中の男Vtuberと、自分を変えたくてVtuberになろうとする女の子の話。

今年読んだWeb小説で一番良かったの何? と聞かれた時に即答できるレベルで今年一番良かった話
自分がVtuberに求めていた「もう一人の自分」「新しい自分」という要素を、メインの登場人物たちは人生に一度失敗したのでVの体でやりなおすということに重きを置いて活動している、Vtuberという存在に真摯な人間たちの多い話。
Vtuberが好きでない自分が、ここまで必死にVtuberを演じている系の小説にハマるのは結構意外なところはあるが、各人の「本気」が見えたところが良かったんだろうな、と思う。

またストーリーの日付進行が結構早いタイプの話だったので、書籍化にあたり省かれたパートが追加されるのがちょっと楽しみ。
そして今原作はちょうど男女として/配信者として/ストーリー全体としての大トロのパートに突入したタイミングなので、本当に「旬」の一作。
マジのマジで面白かったのでぜひ皆様もご一読ください。

・おわりに

今年は9作品分書いた。今年の当たりのシェアリング総数に対しての紹介本数の割合が多すぎる

とはいえ今年分の当たりのシェアリングに関してはちょっと厳し目に査定していた気がするので、「今年のオススメ何?」と聞かれると「大体オススメ」としか言えないし、そもそもオススメでなければ当たりとしてシェアリングしていないのでそれもそうではある。

ということで本当の本当に面白かった小説を紹介した本記事、他人の初見の感想は蜜の味なので人の感想も読みたいため、ぜひとも皆様も読んだ感想をツイッターに放流していただきたいし、逆に皆様が読んだWeb小説の当たりもこちらに流してほしい。面白い物語はいくらあっても困ることはないため

*1:というか今回半分以上が書籍化決まってたりしてるけど。まあ本当にいい作品って評価されて書籍化されるんですよね。それはそう

*2:代表作:風花雪月でイングリット、推しの子で黒川あかね

*3:きららアニメがキツいって思えるタイプの人間。きららアニメのゆるい世界観がダメ説はある

*4:代表作:シャニマスの夏葉

*5:バカとテストと召喚獣