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【MtG】2022後半期の旧枠モダンのデッキたち【旧枠モダン】

PT旧枠モダンが発表され、その参加権利を賭けた熱い戦いが繰り広げられる中、
およそ半年に一度ペースで行われているGP旧枠モダンの季節がやってきた。

というわけで今回は、前回の第12回GP旧枠モダン終了後から10月31日までに関東近郊で行われた大会に存在した旧枠モダンのデッキたちを軽く振り返っていく。
やればやるほど何もわからんと呼ばれる旧枠モダンの環境理解の助けとなると幸いである。

前回(2022年前半期)はこちら。

toriniku-wing.hatenablog.com

前回GPのメタゲームブレイクダウンはこちら。

toriniku-wing.hatenablog.com

デッキ分布図

まずはじめに、どんなデッキが延べ何回大会に出場していたかの表がこちら。(6/25ファイトクラブ~10/15ファイトクラブ

ただ円グラフを作るだけで面白い

黄色背景は優勝あるいは権利獲得のもの。
とはいえこちらは衝動追加前後を織り交ぜているのと、大会に参加したデッキの延べ数での計算であるため、参考程度に。

団結のドミナリア前

対処しても帰ってくるのがキツい

GP後は「ナヤビートカーミック」という、カーミックボンバーの新たな可能性を見せつけ前GP優勝を攫っていったデッキが草の根大会でも存在感を示していた。
旧枠モダンにおけるアグロ黄金ムーブである、「マナクリ→象群の呼び声→フラッシュバック象」の動きに加え、5マナ域に到達後は包囲攻撃の司令官や霊体の先達による絶え間ない攻撃、さらにはカーミックボンバーやオーバーランによる一撃必殺まで兼ね備えた、高~中速ミッドレンジデッキである。
エラダムリーの呼び声や帝国の徴募兵による柔軟なサーチアクション、稲妻やコラコマ*1といった攻めにも受けにも使えるダメージアクションなどもあり、環境内デッキの中では抜きん出て強いと言っても過言ではない。
そもそもこの旧枠モダンというフォーマットにおいては2ターン目に現れる3/3の象が本当に強いため、「まずこのデッキと当たったらどうしよう」と考えるのには最適なデッキである。

そんな一強環境であったが、流石に3大会連続で荒らし続けると状況は変わってくる。

本当になんで勝ったんだお前

まず8/6に開催された大会の優勝はこちらの「ジョルレイルランプ」。なんで勝ったんだコレ?*2

要するに「ジョルレイルの効果で相手の土地をクリーチャー化し、ネビ盤かラスゴでふっ飛ばして勝つ」というデッキである。色拘束の厳しさが異常だが、アグロの展開を咎める全体除去が8枚体制となっているため、かなりアグロ系デッキを見据えたデッキの構築となっている。

という地雷デッキの偶然の勝利はさておいて、次は同月末に行われたPT旧枠モダンの出場権利を争う一戦、PT旧Q(旧枠モダンファイトクラブ夏休みスペシャル)の結果がこちら。

 

ビートカーミック破れたり

 

勝ち抜いたデッキはふたつ。

一つは、より早く命を刈り取ることに特化した「赤緑ステロイド」。
こちらも「マナクリ→象」の黄金ムーブを搭載しているが、ビートカーミックに比べて1マナのマナクリの枚数も多く、2ターン目に象を出すことがより現実的な存在となったデッキである。
また、旧枠モダンにおける基本除去カード「稲妻」を「巨大化」で回避するというコンバットトリックも存在しているため、稲妻に除去を頼ったデッキ(ビートカーミックももちろんそう)にはかなり強く出れるのが特徴的だ。

もう一つは、象に対して非常に強い存在である「稲妻の天使」を用いた「スーサイドトリコ」。
稲妻の天使だけでも象は止まるというのに*3、なんとヴェクの聖騎士+聖なる力という稲妻すら届かない強力な組み合わせを用いて象の生態を粉々にしていった。
象戦以外でも、採用クリーチャーがすべて「地震」を回避するため地震を相手の盤面除去とライフ詰めを兼ねているなど、デッキとしての完成度も非常に高いデッキである。*4

ビートカーミックが旧枠モダン最強ではないと証明した大会であった。

団結のドミナリア後

そうして迎えた団結のドミナリア。
バルデュヴィアの大軍は追加されなかったが、ここで「ガイアの力」と「衝動」が新たに加わった。

旧枠モダンの世界へようこそ

このトレーラー映像、右下のDominaria Unitedは何だったんだよ

「ガイアの力」に関しては、部族の炎・俗世の相談などが存在するためドメイン(特にアグロドメイン)の誕生が期待されたものの、3種類までなら巨大化で良く4種類で俗世の相談を打っても衝動と同じなど、研究の結実までには至っていない。
が、「衝動」の追加によって環境の高速化に押され気味であったコントロールデッキが大いに活気付いた。

まずは衝動が入った直後の大会。

※「ステューピテッドグリーン」→ステューピッドグリーンです。

コイツが強くなった

プレイヤーたちが衝動追加でテンションが上がりこぞって衝動を使った結果優勝したのは青白コントロール
「対抗呪文」「嘘か真か」といった青のコントロール向けカードに、「神の怒り」「物語の円」「翼の破片」といった白のクリーチャー除去を織り交ぜ、
最後はミシュランか「聖なるメサ」のペガサストークンで殴り勝つ、というコントロールデッキ。
衝動の追加によって、早い段階から打ち消しを構えつつ次のカードを探しに行けたり、衝動+翼の破片でストーム1の翼の破片を打てるようになったなど、明確に強くなったデッキの一つである。*5
この後のPT旧Qを勝ち抜いたデッキの一つでもあり、現環境で対策しなければいけなさそうなデッキの一つとなっている。

※「赤緑ターボ抹消」→赤緑ワイルドファイア

白黒コントロールだけデッキが反転していたためこちらで修正

対ロングゲームといえば

続いて勝ち抜いたのは「フィンケルゴー」と「白黒コントロール」。*6

衝動の追加によってコントロールが息を吹き返し、ゲーム速度が全体的に後ろに寄った結果、ロングゲームに強いカードである「影魔道士の浸透者」や「ファイレクシアの闘技場」やコントロールに強い「強迫」を無理なく採用できるデッキが2つ勝ち残った形だ。

旧枠モダンのマスコット

これはドムドムバーガーのマスコットキャラクター「どむぞうくん」たち

赤緑ステロイドも負けてはいない。
生半可なキープを踏み潰す速度のデッキであるため、衝動でどうにかなる手札でキープしても命を先に刈り取ることが多々ある
特にこちらのデッキの場合はインサイド合わせて4枚ウルザの激怒が取られており、序盤の緩みが勝負を左右することもしばしば。

そうして迎えた、第二回PT旧Qの結果がこちら。

旧枠モダンでもめっちゃキレてる

優勝したのは「赤緑コントロール」。
とにかく息切れに強いカードを多数採用し、対コントロール戦には4枚入ったウルザの激怒がキッカーで火を吹くなど、コントロール戦を主に見据えたデッキ構成となっている。
そうして低速環境に焦点を当てたデッキ構成が勝ち残り、団結のドミナリア後の旧枠モダンを突破する新たなソリューションとなったのである。

忘れてはいけない

本記事最多の15人規模の大会結果で最後のトリを飾るのは、前環境も注目を集めていたがやはり強かった青黒ネザー。店舗大会で15人も旧枠モダンに集まったのが一番の驚きなところある。
なんとサイドに激動ゾンビのパッケージを採用しているため、上記赤緑コントロール戦であっても強烈なフィニッシュブローを叩きつける事が可能だ。

勝ち抜きそうなデッキ(主観)

この段階で対処しないといけなさそうなデッキは4つ。

・ビートカーミック/赤緑ステロイド

いわゆる高速デッキ。
マナクリ→象→フラッシュバック象の動きが単純に強く、また赤緑ステロイドに関しては稲妻で除去を行おうとすると巨大化で回避してくるしビートカーミックは試合展開によってエラダムリーの呼び声/帝国の徴募兵で異なるカードを持ってくる動きが強い。

対処としては、「神の怒り」「恐怖」などの全体除去・単体破壊除去か。
また、緑が主軸になっていることから冬眠がよく刺さる。

象が消えるのでバウンスでも強い

ただし冬眠を使う青にはリバー・ボアが刺さるので、そこが少し怖いか。
赤で対処する場合は稲妻の切り方が難しいといったところ。

・青白コントロール/青黒ネザー

いわゆる低速デッキ。カード以上に時間切れも気にしないといけないマッチアップ
早い段階でカウンターされて動きが鈍る場合もあるが、衝動追加で早い段階から必要カードを集めることも可能。
2マナカウンターに関しては、青青で「対抗呪文」を警戒する必要があり、青1で「マナ漏出」「中略」も打てる。3マナになると「雲散霧消」(と吸収)もある。
象を使う場合は一部の呪文がフラッシュバックを許さないのでそこが注意点。

打ち消し追放呪文の一覧

対抗策としては「強迫」によるハンデス、「血染めの月」「魔力のとげ」「防御の光網」などの妨害置物辺りか。
ライフを削る最後の一押しには「ウルザの激怒」がベスト。

コントロールを許すな

ただし、サイド後はそれを見越しての「解呪」や「ネビニラルの円盤」での破壊、そもそも設置を許さない「無効」などもあり、設置のタイミングが難しい。

構えが容易

どちらをより重く見るか。とりあえず(デッキチョイスが難しくて)何もわからんことだけはわかった。

おわりに

旧枠モダンの結果をまとめるだけで7千字を超えた。長々とお付き合いいただきありがとうございます。

一週間後に迫るGP旧枠モダンに向け、何かがわかったのであれば幸いである。

 

ちなみに、GP旧枠モダンは今も参加者を募集している。

twipla.jp

たくさんの人にこの良フォーマットを楽しんでいただきたいので、もしよろしければぜひ。

 

あと前回情報操作みたいになってしまったので今回は事前に握るデッキを宣言しておくと、たぶんバベルかトリコで出ます

勝てるといいな。

*1:荊景学院の戦闘魔道士のこと

*2:優勝者が自分なので何を言ってもいい

*3:稲妻があればその限りではない

*4:ただし旧枠モダンにおいて楔三色は命の危険が伴うし地震は自分のライフも削る。ゆえのスーサイド

*5:昔は「選択」もあったのだが流石に4枚から1枚選べるほうが強い

*6:決勝卓で時間切れドローが発生した