とりにくメモととりにくレポ

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右肘骨折実録-2

Q:ある日突然、口座に7桁の大金が入っていたらどうしますか?

それも……とびっきり心当たりがなくて、
とびっきり大金で、
この口座を知ってる人が会社か労基しかなくて、
銀行から謎の資産運用についての電話もあって
しかも、そのうえ……。
給料用に作った口座だから、原因が判明するまでは!
お金のコトを引き出せないんです……。

 

ということでFF10ネタで始めた右肘骨折実録から1年と少し。
色々とやり取りが終わった(っぽい)のでここに記録を記しておく。
時々でいいから腕が壊滅的になった人を見たときに思い出してほしい。

前回のあらすじ

toriniku-wing.hatenablog.com

腕の状況

たくさんの数え切れない痛みがあったが、授動術手術の甲斐あって腕の動きは明確に良くなった
まだリハビリを続ける必要はあるが、先生曰く「かなりイケそう」とのこと。
現に今、1年越しで右手でお箸を使ってご飯を食べることが出来なくはない状況まで回復したそして今後のリハビリでまだ良くなる余地もある。未来は明るい

結論から言うと前回の最後からほぼ回復はしなかった

骨がくっつく過程で一緒にくっついてしまった関節。その原因であった癒着を剥がしまくったのが前回の授動術手術。
しかし、またくっついたのかくっついた状態が自然になってしまったのかは不明だが動かない状況はあまり改善されなかった。まあお箸でご飯食べれるようになっただけまだマシだけど。
ちなみに、動かないのは痛くてこれ以上いけないではなく動かしてると止まってこれ以上いけないというパターンのやつ。

これを書いている現状(2024/3月)で言うと、

・右手でご飯を食べれる。箸で掴んで口に持っていくまで可能*1
・物も持てるし力も入る。

動かし続けると痛い*2
逆に曲げたまま/伸ばしたまま動かなさすぎても痛みがある
・現在動かせる範囲は(左腕・常人と比べ)曲6割伸ばしが4割+ちょっと外のひねりが7割内側のひねりが3割程度。前回のアレとあまり変わってない。伸ばしだけ少し良くなった。

という感じ。怪我したの2年前なのにまだこんな感じである

とはいえ、上背があるので曲げ伸ばしが悪いというのは少しだけマシである。
常人より動かないが常人より体が長く腕も長いのでそっちでリカバリーした結果、結果常人より少し動かせる範囲が狭いみたいな状態になっている。

……が、あくまで常人と比べての話。これまでの自分と比べると動かせる範囲に大きな差がある
それも基本の動作を行う利き腕でやらかしたので、今までの人生習慣でものを取ろうとして腕を伸ばした際思ったより可動域狭くてしょんぼりしながら左手で伸ばしなおすという謎のひと手間と現状の再確認を定期的にしている

また、骨の再生の都合で左右で明らかに骨の太さが変わっている。これまで大きな怪我なく人生健やかに生きていたため、ここだけ極端に太いという謎の状態が発生した。
そして、結構大きめの手術痕も残った。こちらについては見ていて痛々しいのであんまり自分でも見たくなく、夏でも長袖の類で隠せるようにした。

 

ちなみに前回最後に生まれたレントゲンの怪しい部分は、手術によって生えてきた骨ではなく、カルシウムが固まって発生した石灰化というものが原因だったらしい。
骨みたいになるが、骨ではないので特に問題はないらしい。なんか小さくてかわいい骨の欠片が腕に入っているようなものだろうそんなちいかわあるんだ*3

ということでこの動きが悪くなった腕の中には今プレート抜くときに取り切れなかったボルト1本なんかちいさくてかわいい骨の欠片が住んでいる*4

お金について

今回に関しては労災という特殊なパターンのため、自分から支払ったお金というものはかなり少ない。
会社側が労災であることを労基に連絡してもらえたのが早く、労災認定されたのも最初の手術の2~3週間以内で収まり、窓口にも早めに伝えれたので怪我した直後の初日の病院代と、生活費*5だけでなんとかなった。
労災の保証金が振り込まれ始めたのが3ヶ月位後だったので、まあその時は貯金が少なすぎて親から一瞬借金したのだが*6

逆に、労災や生命保険による収入の話をしよう。

労災

こちらに関しては詳細な額は言えないが、直近3ヶ月以内の月収を平均した額の6割を休業補償という形で頂いていた。
ただし日ごとの計算なので、例として通常勤務を1日1万円計算、週5日勤務で5万貰えていた場合、休業補償は日毎計算なので一週間7日分貰えるためだいたい週4万2千円計算。ちょっと額が下がる程度でなんとかなった。
ある程度治療が終わるまではこちらのお金でだいぶ生きていけたしこの給付金が非課税なのでその分のマイナスがなく、少しひもじいが生活が破綻するほどではない状況となった。
ある程度治療が進んでからは普通に「勤務予定日に仕事休んで病院行った日だけ」になったが。あまりにもそれはそうなので文句は言わない*7

生命保険

自分は県民共済の月々1000円くらいの最低限のプランに加入していた。
怪我の後にある程度経ってから保険金の請求を行っていたのだが、安いプランなので手術保証がなく入院+通院日数分のお金が帰ってくる形でお金が帰ってきた。

が、そちらの金額は通院1日750円、事故日から三ヶ月程度までのお金のみであった。
リハビリもカウントされるのはカウントされるのだが、病院に通っていた日数は実際は期間内の3分の1程度。
そのため、入院含め実際に支払われた金額は2万円ちょっとだった。でも診断書を書いてもらってるのでちょっと部分は相殺されている
ちなみに骨折した年と同じ年にコロナにかかっていたのでそちらで10日くらい自宅療養したのだが、そっちでもらえたのがおよそ6万円。
こっちのほうが貰える量多いんだ

これはまた後述するが、もう一度請求タイミングが訪れたので、そちらでももう少し貰える予定。
こちらは流石に8万くらい貰えるのだろうか。ちょっとわからない。

 

ついでに。
実は母親も自分に対して生命保険をかけており、月々いくら払ってるかは不明だがそっちでも保険金が降りたらしい。
そっちは結構しっかりした保険だったので、だいぶお金が入ってきたとのこと。チバノトリノムスコの馬券の買い方が上手い

ここからは去年の手術後の話。

授動術手術(2023/2月)~2023年終わり

リハビリの頻度を上げつつさらなる腕の回復や肘に生まれたちいかわと向き合いながら、仕事をしつつリハビリに通う日々。
だが、前述の通りほとんど回復はしなかった。

そしてこの辺りからあまりにも腕の回復が遅すぎて労基から「お前早く決着つけろ」という電話がかかってくるようになった。それは本当にそう
しかし腕の治りが芳しくないのも事実。
そんな中、主治医の先生は「もう一度授動術手術をやってみるか」ということを問うてきた。

癒着が原因であるのであれば、何度でも腕を開いて剥がしてしまえばいいのでは。
その提案に対し、自分が出した答えはーー。

 

たぶん、ここまでなんじゃないかなと思います

 

終わりのない通院とリハビリ。
再度の手術でも止まるんじゃないだろうかという恐怖。
不便ながら最低限は行えるようになってきたので慣れてきた生活。
そもそも手術を行うということに対するリスク。*8
これまで労基に面倒を見ていてもらったが今は通院日以外は休業補償が貰えないため破綻する恐れがあった収入。
怖い労災のお兄さん。

1年前までの日常生活を取り戻せる可能性と、それらのリスクを天秤に掛けた結果、心が折れた音がした

とはいえ、先生も微妙に諦めきれなかったのか、なんだかんだ2023年中は様子見も含めて通院だけはしていた。

2024年

年が明け、実際に労基に赴き自分の今の状況を検査してもらう日が2月にあった。

季節はバレンタインデー。チョコの代わりに役所に腕のレントゲン写真を提出し、哀れな腕の現状を労災の医師の元実際の曲げ伸ばしの数値と、比較対象である元気な左の数値を測ってしばらく後。
給与用に開設していた銀行から謎の電話があった

「資産形成に興味はないですかー?」
こちとら日々を生きるのが精一杯だよ!!!!*9

仕事中にかかってきたフリーダイヤルの電話で名前もこちらが名乗る前に答えられたのでマジでなんかヤバいことになったのではと思ってドキドキしたが営業の電話だった。
今考えれば理由は不審な入金の確認かマジで大金が入ってきたからチャンスだと思われたかのどっちかだろうが、その時にはこの後起こる事態は何も予想できなかった。

 

そして後日。給料を引き出して生活用の口座に移し替えようとしたときに事件が起こった。

なんか口座の残高が7桁多い!!!!!???????

 

Q:ある日突然、口座に7桁の大金が入っていたらどうしますか?

それも……とびっきり心当たりがなくて、
とびっきり大金で、
この口座を知ってる人が会社か労基しかなくて、
銀行から謎の資産運用についての電話もあって
しかも、そのうえ……。
給料用に作った口座だから、原因が判明するまでは!
お金のコトを引き出せないんです……。

 

本当に焦った。
宝くじはその場ですぐ換金するから3300円以上の当たりを見たことがなく、
馬券を買った形跡も無いし当てた経験がなさすぎて1年で買うのを諦めた人間のもとに振り込まれていた謎の7桁入金。
詐欺を疑うくらいには良識のある人間だったので、歯医者を終えた後慌てて帰宅し預金通帳を片手にATMへ駆け込み、入金者を確認した後に郵便ポストに投函されていた1枚の紙を確認した。

A:後遺障害認定による国からの一時金なので本物の入金です

金額に対しての通知が軽い*10
後日労基から正式な後遺障害の書面が届くのだろうが、その前にお金だけ振り込まれていたという形である。普通にびっくりした
ちなみに今回もらった後遺障害については詳しくは書かないが、状況は悪いとはいえ全く動かないとかそういうレベルではないので障害者手帳を貰い今後年金をいただけるようになるレベルではない腕の動きはメチャメチャ悪い三十路の男が生まれただけである

まあこの後に保険会社に対して後遺障害の認定について問い合わせ、そちらに対する保証金の請求も行うのだが、とりあえずはこの骨折に関する大きな動きというものはこれで終わりを告げた。

おわりに

転んで骨を折っただけと書くと軽く感じるが、本当に大事になった2年間に一つの決着がついた。決着がついただけで残りの人生はこれを抱えて生きるのだが

老いは平等に訪れる。
いけるだろうはいけなくなる。
できたものはできなくなる。

これを読むのは自分と同年代かそれくらいの人間が多くなると思うが、どうか忘れないでほしい。
注意一秒怪我一生。自分は正しくそれを体現した結果となったのだから。

 

……まあ国からちょっとした一時金をもらったので、少しだけ前を向くための機会は得た。
今後どう生きるかは置いといて、とりあえずは日々を過ごしていこう。

どうか皆様も、健康でありますように

*1:前回と違い、食べれなくはないではなく普通に食べることができる状況。慣れたのかもしれない

*2:キーボード打ち続けるのちょっと痛い。休み休み打っている

*3:ちなみに自分の場合は本当にちいさくてかわいいサイズだったのでなんにも問題ないが育ちすぎて大きくなったらそれはそれで手術が必要

*4:これらは動きが悪い原因には一ミリも関係ない。レントゲンのときにそう言われている

*5:自炊じゃなくて惣菜とか冷食メインになったので一瞬エンゲル係数上がった

*6:返済済み

*7:事故日から1年くらい後にそうなった

*8:ちいかわは手術で生まれたので

*9:回顧録なので口調が荒いけど実際には「現状は興味がないですねー。なにかありましたらまたご相談させていただきます」くらい柔らかな回答で濁した

*10:はがせるタイプのハガキによる通知なのでマジのペラ1に書いてあった