今回はヒュージ・リーダーズの話をする。
半年前のアローロのデッキ紹介から約半年。
ヒュージ・リーダーズというフォーマットが謎フォーマットの世界から一般社会へと飛び出した。
この半年で晴れる屋のメディアや実店舗でのコマンダーサミットにて本フォーマットが注目され、対戦動画まで上がるようになった。
小さい界隈で遊んでいたフォーマットがここまで広まるとは思ってなくて本当に驚いている。
そして、年は明けて2022年、ヒュージ・リーダーズ界には激震が走り続けている。
神河:輝ける世界(通称:ネオ神河)。
北斗の拳作者の原哲夫氏がイラストを手掛けたりその流れで「お前はもう死んでいる」が日本語訳になったカードが存在したり
神様がラーメン食ったり子持ちの人妻が闇堕ちしたりとMtG界を騒がせ続けているこのネオ神河だが、
ヒュージ・リーダーズ界はそれどころじゃない大騒ぎとなっている。
- かんたんなヒュージリーダーズ解説
- ・大狸
- ・陽刃の侍
- ・魂力土地サイクル
- ・目覚ましい修復術
- ・精霊の姉の召集
- ・完成化した賢者、タミヨウ
- ・発展の暴君、ジン=ギタクシアス
- ・告別
- ・巨大な空亀
- ・鏡殻のカニ
かんたんなヒュージリーダーズ解説
まずは、このフォーマットを簡単におさらいしておこう。
・デッキ構築条件
デッキは統率者含め50枚と、統率者に置く荒地4枚。
ただしこのデッキの中のカードはマナ総量5以上のものと土地しか使用できない。
5マナというと、割とフィニッシャー足り得るカードたちがゴロゴロしている世界。
ワンアクションでド派手な展開が多いのが魅力的だ。
・特殊ルール
初期手札は7枚。1度目はフリーマリガン。全プレイヤーが初手ドローあり。
ゲーム中、統率者領域から荒地を4枚まで置くことができる。
(荒地は統率者と同様に、場から離れた際に統率者領域へ戻すことができる)
土地事故防止の荒地があり、それをセットすることも可能。
ただし荒地を置いて何もしなければ手札が溢れてディスカードとなってしまう。
・多人数戦である
ベースが統率者になっているため、多人数戦である。
そのため、一部カードは全てのプレイヤーに影響を及ぼす。
・マナ加速が強い
ただ5ターン目まで土地を置いていてもいいが、それだけではやや出遅れてしまうこともある。
デッキの唱えるカードが全て5マナ以上であるため、様々な手段を用いてマナ加速が行われる。
条件が「マナ総量が5以上」であるため、出来事持ちのカードが参照されるのは右上のマナコストのみであるため、出来事部分は3マナで唱えることもできる。
同様に、分割カードのマナ総量もそれぞれのマナで計算される。(両面カードは1面のマナコスト参照)
そのため、3ターン目に開拓を打つことも可能だ。
また、ディスカードを活かし溺墓の寺院を捨て、それを墓地から戻す動きも一般的である。通称ヒュージの太陽の指輪(ソルリング)。
ソルリングに頼らずとも、単純に2マナ出る土地は多く存在するのでそういったカードを使うのも一般的だ。古えの墳墓なんかはわかりやすい。
ではこれを踏まえてこのネオ神河にいるヒュージなカードたちを見ていこう。
・大狸
3マナのマナ加速手段が1枚増えた。
緑単色なので緑が入るデッキには追加のマナ加速になることができる他、手札から捨てて起動する効果なので「唱える」必要がない。
0ターン目に別館の大長が見せられてもこのマナ加速は通るというのはちょっとしたプラスポイントだろう。
場に出す基本土地がなんでもいいのも良い。
ではこれを見た上で次のカードを見てほしい。
・陽刃の侍
お前やる気ある?
上の大狸と比べ、色マナが不要となり2マナになってはいる。
が、基本「平地」を「手札に」持ってくる効果である。あと2ゲイン。
クリーチャー・エンチャントであり、能動的に手札から捨てることができるということでなにか悪いデッキは悪いことをするかもしれない。白単ドレッジとか。
また、基本的なズルムーブの類たちはだいたい3マナであることが多く(変異もそう)、2マナ段階で動けるこのカードはまあまあ貴重なカードではある。
とはいえ大狸と比べるとやる気がないようにしか見えないのである。
・魂力土地サイクル
ヒュージ界だけでなく各フォーマットから既に震えが走っている魂力土地たちも、「土地」なのでヒュージリーダーズでは使うことができる。
特に注目なのは、他フォーマットでもヤバいと噂の「母聖樹」と、個人的には「竹沼」。
母聖樹は相手に別の土地を渡すものの、2マナで動くことができる土地破壊であるため非常に協力。
2ターン目に不用意に置かれた2マナランドを突き崩されると崩れるタイプのデッキも存在するので、土地にも気を使う必要が出てきた。
そして個人的に注目しているのは竹沼。
釣ったやつが大体デカいので何釣っても強いリアニメイトが、4マナ段階で打ち消されず打つことができるのである。
今回の魂力土地サイクルの中では最もヒュージに向いた存在であろう。
手札に戻すだった。解散。
(とはいえ3枚削れるので悪くはないと思う)
・目覚ましい修復術
「すべてのカード」というだけでワクワクしてしまうタイプの人間なので当然アーティファクトもエンチャントも戻せるこのカードにもワクワクする。
先程の魂力侍もこれで戻すことができるので噛み合いそのものは悪くはない。
・精霊の姉の召集
恒常入れ替えエンチャント。パーマネントならなんでも可。
荒地を別の土地に入れ替えたり、3マナで唱えた幽体の行列のトークンを墓地のクリーチャーに入れ替えるなど様々な悪用方法が既に考えられる。
面白カードだが5マナであるため各フォーマットでは少し工夫が必要なこのカードだが、ヒュージの5マナは最小なので何ら問題なく運用できそうだ。
・完成化した賢者、タミヨウ
ファイレクシアマナを要求する初のPW。
特報でカード見てから昼食時にストーリー読んだらその日の仕事に支障が出るくらい精神ダメージを負った。
初の実質4マナPWだが、ライフで出すと忠誠度3スタート。
そこから-Xを使おうにもヒュージのカードたちは揃って5マナ以上なのでファイレクシアマナだと運用に最低3ターン必要とするため、微妙にヒュージとは噛み合いが悪い。
とはいえ、初の4マナPWであることには変わりない。
なにか面白運用が考え出されるかもしれないので期待している。
・発展の暴君、ジン=ギタクシアス
ヴォレンクリックスに続いて青の法務官も再カード化。
やることはコピーと打ち消し。1アクションがデカいヒュージにおいては1ターンに1度の打ち消しは結構な重みがある。
まあ多人数戦なのでこんな危険なカードは秒で処理されるとは思うが、戦場にいるときの圧力は高いので結構使われそう。
・告別
使い勝手の良い全体除去がやってきた。
クリーチャー・エンチャント・アーティファクト・墓地4箇所を1つ以上全て吹っ飛ばす。1個でも2個でも3個でも4個でもいいのがミソ。
自分の都合の悪いところだけを全て「追放」するという、あまりにも都合の良すぎる効果。
総くずれやドゥームスカールと言った今までの全体除去たちとタメを張れそうだ。
・巨大な空亀
空飛ぶデカブツに2つの魂力がついたカード。
どちらも元となった新たな芽吹き/送還より1マナ増えているが、元が軽いカードなのでもう1アクションを取ることも可能。
痒いところに手が届くいい感じのカードである。
あと本体が普通に大きいのでリアニメイトで釣っても良さそう。
・鏡殻のカニ
フルスポイラーでコイツ見たときに変な声出た。
手札から捨てることでマナリーク、しかも能力も対象に取れる超優秀な打ち消し。
その上で唱えていないので普通の打ち消し呪文に引っかからず、おまけにマナコストは驚異の3マナ。
世界が一変したとかそんなレベルである。しかもコモン。
ただでさえ5マナからしか動けないフォーマットなので、3マナ追加でもかなり重たい。
それをこちらは3マナで構えることができる。
神河最後の爆弾がフルスポイラーに眠っていたのであった。
他にも5マナクアドラブルシンボルの招来シリーズだとか、一部4マナが混ざるドラゴンスピリットサイクルもあるが、カニが衝撃的すぎて全てを破壊した。
多分コイツ禁止食らったほうがいいと思う。1ヶ月位監視して即追放されてほしい。
と、ヒュージリーダーズ界ではこの1セットだけで世界が激変している。
この激動続くヒュージリーダーズ界から今後も目が離せないので、皆様もぜひこれを期に50枚のデッキを組み上げてみてほしい。適当なデカブツ突っ込むだけでも面白いので。