ぜんかいのあらすじ!
「毒を増殖させて勝つデッキを考えたぞ!」
「マナ加速にブリッジランドを採用するぞ!!」
「ブリッジランドとケンクのアーティフィサーがいい感じに噛み合ってるぞ!!!」
「ケンクランドを増殖で育てて殴り勝った!!!! 毒は?」
この記事から2ヶ月。
今回はチマチマと調整を重ねてある程度個人研究がまとまったので、大規模大会*1であるパウパーサミットカップに初出場し、その結果も一緒にまとめた研究発表のログである。
リスト
まずは今回のリスト。
前回と比べて大きく変わった点は3つ。
・汚れた一撃
これは、この間の記事を書く前後で対戦した青黒感染の方に使われたカード。
これまでのグリクシスポイズンに関しては、毒の増殖とケンクランドの増殖が同時並行してもケンクで殴り勝つことのほうが多かった。
このカードの採用によって、ワンパンで最低4つの毒を付与することが可能になった。
1ターン目タップイン、2ターン目浄化の野火/五元のプリズム、3ターン目にケンクのアーティフィサーで破壊不能3/3ブロッカーを立て続けることでピタ止まるデッキは結構多いため、最速ケンクスタートが多いこのデッキ。
最初に書いた通り増殖1枚で毒とケンクの2つが同時並行で進むため、毒側の初動が遅れてもケンクサイドでチャージできるので毒殺の可能性が広がるということ、
そしてブリッジランドでも対処しきれないチェイナーの布告や、あと数個毒が足りないタイミングに対して、ケンク着地+即パンチ+汚れた一撃で実質速攻持ちの飛行クリーチャーで最低4毒が付与できるということが非常によく噛み合っていた。
実際練習試合や店舗大会などで一撃必殺も決まることが多く、このデッキは毒デッキであることを再度認識することができるようになった。
・五元のプリズム
似たような毒殺コントロールの可能性は他の人も検討しており、今大会でも決勝ラウンドに毒殺コントロールが勝ち残るほど強力なデッキに至っていた。
今回は他の大会で結果を残したリストを見た際に投入を検討したカード。
でもそんな思いつきのカードを……試すために買い物をするの……シンプルに面倒くさいな……。
少しだけ思い出話を。
MtGを初めてすぐに、モダンを始めようと思って色々なデッキを探している最中、ある一つの動画シリーズを見つけた。
しんでれら・まじっくシリーズ。
MtGの様々なフォーマットで戦う動画だが、こちらから様々なデッキ案をもらい、自己流に調整してカジュアルで遊ぶことが多かった。
白単エメリア*2、青黒フェアリー*3、そしてその中のひとつが増殖コントロールである。
www.nicovideo.jpこの試合でよしのん側が使った増殖デッキ、
これを発展させて自己流の増殖PWデッキを使っていたが、カジュアルもカジュアルなデッキであり、時代の波に飲まれて静かにデッキケースで眠り続けていた。
……つまり、家にある。
なんの因果か運命か、まあ持ってるならでとりあえず試しに入れて調整してみたところ2ターン目のマナ加速要素が8枚になりデッキとしての安定性が増した。
増殖によるマナ増加もかなり大きく、2枚貼ると実験的占いが実質0マナスペルに、5マナ3ドローの見識も横にこれを置くだけで追加アクションが何個か取れるようになるなど、増殖デッキに必要なもう一手を生成する優良カードだった。
ちなみにアーティファクトなのでたまにケンクで空を飛ぶ。パウサミ中はなかったが練習の大会で一回殴り勝った。
まあなんであれ、10年近く前のカードが今に繋がったので少し感慨深い気持ちになった。
・サイドボード
金曜日にパウパー有識者*4と喋りながら調整していたところ、
・予想外の牙/汚れた一撃に使えそうな大きいクリーチャーがもうちょいあってもいい
・赤単が死ぬほどキツいなら青ブラは4枚でも足りないから6枚くらいいる
・ヴラスカの堕落は毒としては強いがきれいに当たる幅は狭く、また全体火力はメインでも全然いい
など、永くパウパーをやっている人たちの意見をいくつもいただけた。
その結果たどり着いたのが水流破・青霊破合計6投による絶対赤から守るプラン*5と、クリーチャーの少なさから相手が除去をサイドアウトすることで生まれる隙間を貫くアンコウ投入。
これは今の自分ではたどり着けない世界だったし、また旧枠モダンで得た人脈*6で得た答えという感じでとても良かった。
対戦を繰り返すことで得た知識(汚れた一撃/ケンクのアーティフィサー)。
かつての自分が使っていたカード(五元のプリズム)。
MtG歴の中で巡り会えたプレイヤーからのアイディア(サイドボード)。
たとえ勝っても負けても、おそらく今の自分と、そして今までの自分の最高傑作が出来上がった自覚はあった。
対戦ログ
R1 緑単トロン ×⚪︎×
浄化の野火をトロンに打ってフルパワーになるタイミングをズラすも、こちらの後続に恵まれなかったり妨害できずに最速でトロンを揃えられたりと2,3手遅かった。
勝てたG2はとにかくトロンランドに野火を当て続けることに成功した試合だったので、多分対応策としてはこれがいい感じ。
R2 スリヴァー ×⚪︎×
G1は横並べに対応しきれず負け、逆にG2は除去をとにかく打ちまくって勝ち。
G3で相手ターンにスリヴァーを全体除去で流そうとしたところマナクリスリヴァーからマナを出され立て直しが決まり負け。
多分自ターンで処理してたら間に合ったので明確なプレイングミスでの落とし。あと挑発のルール周りで色々バグったのが反省点。
R3 カルニブラック ××
G1・G2共に土地しか引かなくて滅びた。20枚しか入ってない土地を16枚見る試合って何。
R4 ボロスシンセサイザー ⚪︎⚪︎
G1はカルドーサのゴブリン5匹を焦熱の連続砲撃で仕留めることでしのぎ切って勝利。
G2は牙アンコウでライフレースを押し切って勝ち。
R5 呪禁オーラ ××
G1・G2共に対応策の全体除去が引けず静かに死亡。
単除去を多く取っているため割と相性が悪いので仕方ないっちゃ仕方がない。
R6 青緑感染 ⚪︎⚪︎
G1・2共に相手の感染クリーチャーを徹底的にボコってケンクランドで撲殺。毒は?
R7 赤単バーン ⚪︎×⚪︎
G1は相手のクリーチャーと火力を最小限のダメージで抑え続けた結果、残りライフ2・相手の毒3からケンク増殖汚れた一撃による1ターン7毒で逆転勝利。
G2は釜の悪鬼とバーンによる先行3キルでド派手に沈むものの、G3は同じように並べられた2枚の釜の悪鬼から放たれた稲妻の連鎖を場に出していた2枚のプリズムで打ち返し手元の火力で焼き切ってダメージをしのぎ切り、牙ケンクによるライフゲインで逆転勝利。
そして3-4。相変わらず絶妙に半分勝てない。
ただ、やれるだけやりきったので非常に満足度が高い大会であった。
おわりに
パウパー、クッソ楽しい。
コモンゆえのお財布への優しさ、勝利にプレイングがだいぶ直結するという読み合い、
そしてこのような草の根大会が開かれるほどのプレイヤーたちの多さと公式と非公式の間でだいぶ公式寄りみたいなフォーマットであることからの、プレイヤーの皆さまの暖かさと面白さ。
おそらく旧枠モダンを始めた頃くらいの楽しさで、今異様にMtGへのモチベーションが上がっている。
ここまでテンション上がったのはだいぶ久しぶりだ。クッソ楽しい。毎週パウパーやりたい。
今大会周りで調整しているときに知ったり当日雑談で起こった出来事だけでも、ステッカー使用者のチョイス基準、バーン使用者から見た土地置く順番とかのプレイングテクニック、6回戦の感染の方からいただいた反町隆史のPOISONの毒カウンター、アイマスKR現場におけるアイマスPの少なさから起こる不思議な光景の話など、色々とあったが、まあそこは割愛。
こんなに楽しく思い出を振り返るレポートをしっかり書き込むことができ、そして今の自分の最高傑作を残すことができて大満足である。
参加者の皆様、運営の皆様、本当にありがとうございました。
今後もパウパーにはしっかりと力を入れていこうと思うので、またよろしくお願いいたします。