旧枠モダンの紹介記事、二色編です。
今回は土地の紹介も一緒にやっていきます。
前回と前々回がこちら。
今回も各色紹介のたびにサンプルデッキがあります。がんばりました。
ちなみにですが、サンプルデッキは高めのカードなども気にせず投入しています。
特にフェッチに関しては、値段的に厳しい場合は土地あたりは安めのペインランドやタップインランドに切り替えても何ら問題なく作動する場合が高いです。
後この辺のカードは高額カードでもないと大体ストレージに転がってるから店で揃えるとメチャメチャ安上がりになります。
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(土地編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(青白/アゾリウス編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(青黒/ディミーア編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤黒/ラクドス編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤緑/グルール編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(緑白/セレズニア編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(白黒/オルゾフ編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤青/イゼット編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(黒緑/ゴルガリ編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤白/ボロス編)
- ・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(青緑/シミック編)
- おわりに
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(土地編)
多色デッキを考える上で必要になるのは土地カード。
ということで今回は単色の土地も含めて紹介していきます。
・単色土地編
単色編でも何枚かのミシュラランドは紹介してきましたが、実は単色のミシュラランドはサイクルを形成しています。
基本的にはこのミシュラランドにはフィニッシャーとしての採用を願われるため下2枚(とミシュラの工廠)に枚数を吸われがちですが……。
また、「タップインサイクリングランド」が各色に存在しています。
特に白に関しては、場の土地枚数によってはサーチが可能な「雨ざらしの旅人」が存在しているので、場に出す土地をわざと止めつつサイクリングで手札を増やすことも可能です。
単色土地と言えば。黒で紹介した「陰謀団の貴重品室」の他に緑にも「ペンデルヘイヴン」があります。
ちなみに、氷雪を参照するカードは存在しませんが冠雪地形の初出はアイスエイジのため使用可能です。
・二色地形編
マジックには、
・「青白・青黒・黒赤・赤緑・緑白」のカラーホイールが隣り合う二色、いわゆる「友好色」
・「白黒・赤青・緑黒・白赤・青緑」のカラーホイールが隣り合わない二色、いわゆる「対抗色」
という概念があります。
最近のスタンダードでは薄くなっていますが、旧枠時代においてはこの概念がバリバリに存在します。
具体的に言うと友好色と対抗色で存在する二色地形の種類数に差があります。
例えば青白。
タップインランド*1の「沿岸の塔」、ペインランド*2の「アダーカー荒原」、フェッチランド*3の「溢れかえる岸辺」の3種類が存在します。
これが友好色5個に3種類ずつ配られています。
一方の赤青。
こちらはペインランドの「シヴの浅瀬」しか存在しません。
この対抗ペインランドサイクルは対抗色1個につき1種類ずつ存在していますが、それ以外の二色地形がありません。
まだ二色デッキならなんとかなることが多いのですが、三色デッキになるとここが大きく響いてきます。
「緑白青・白青黒・黒赤緑・青黒赤・赤緑白」のカラーホイールが連続した三色、いわゆる「弧三色」ならタップイン土地を多めに取るなどして命の温存を図ったりも出来ますが、
「赤白黒・緑青赤・白黒緑・青赤白・黒緑青」のカラーホイールが連続しない、いわゆる「楔三色」になってくると真鍮の都を含めたペインランドが10枚くらい入った激痛デッキになりがちです。*4
この辺の土地配分に関しては人の好みが出るので、後述の五色地形と相談しながら考えていきましょう。*5*6
・五色地形編
五色地形は「反射池」「宝石鉱山」「真鍮の都」の3種類があります。
「反射池」は単体だと色が出ませんが、この3枚の中でデメリットなくマナを出すことが出来ます。
そのため、対抗色デッキの5枚目以降の多色地形や弧三色のアンタップイン要因、または楔三色の命に優しい土地としての運用で広く使われています。
とはいえ、1枚別に色マナを出す土地が必要なのでいざという時に狙った色が出ないことがあります。
「宝石鉱山」は条件なく色マナを出すことが出来ますが、3回しか使うことが出来ません。
このフォーマットはゲームスピードが遅い側のフォーマットなので、一回の土地を6~7回使うこともしばしばあり、この中では一番使われていない土地です。
「真鍮の都」も条件なく色マナが出ますが、ペインランドと違ってマナを出すたびに常に1ライフを強いられます。
ただでさえペインランドで土地基盤を安定させているフォーマットなのに、さらにペイライフを強いる土地を増やして大丈夫かと言われると大丈夫じゃないことは結構あります。
ですが逆を返せば命さえ払えばマナが生まれデッキの動きが安定するので、この辺のメリット・デメリットを見つつ自分の好みに応じた土地基盤を見つけだしてください。
ついでに。旧枠モダンでよく見られる「真鍮の都」ワンポイントアドバイス。
・ペインランドは「ダメージを受けマナを出す」効果。マナを出す際スタックに乗らずダメージを受けます。
真鍮の都は「好きな色のマナを生む」効果と「タップするとダメージを受ける」効果が独立していて、
タップによるダメージがスタックに乗ります。
これがどういうことかというと、インスタントタイミングのカードであればダメージを受ける前に生んだマナを使えます。
赤絡みのデッキで相手のライフ残り3/自分のライフ残り1で真鍮から稲妻を打つなど、意外とこの知識一つで拾うことがある試合は結構あるため、ぜひ覚えていってください。
・真鍮の都はタップするとダメージを受けるため、「火+氷」の氷を打つ際真鍮の都を指定すると1ダメージ飛ばせます。
上と違って勝敗を左右するほどのことではないことが多いですが、覚えておくと便利です。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(青白/アゾリウス編)
青白のカードは3種類。
・熊サイズで相手の呪文を封じる「翻弄する魔道士」
・打ち消しに3点回復の付いた「吸収」
・選んだ色の飛行でないクリーチャーを止める「テフェリーの濠」があります。
また、固有色で話すと「解体の一撃」も採用されている場合があります。
デッキとしてもっとも広く使われているのは、「神の怒りとアダーカー荒原があれば一生遊べる」でお馴染み青白コントロールでしょうか。
コントロールしきってメサの圧力で勝ってしまいましょう。
見ての通りサイドに石臼を入れたデッキで、ここまできたらミルストーリーとしてメインから石臼を入れてもいい気もしますが、このフォーマットでは諸事情*7によりメインボードのライブラリアウトが難しいためサイドボードとなっています。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(青黒/ディミーア編)
青黒は多色カードに「影魔道士の浸透者」があります。
ですが、現環境において最も猛威を振るっている青黒デッキは「ネザーゴー」です。
こちらもガッチガチのコントロールデッキで、大会での実績もあるデッキです。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤黒/ラクドス編)
赤黒のカードは「終止」「虚空」が使えます。
また、赤が絡む他のデッキではあまり見ない「血染めの月」を強く使うことができるデッキでもあります。*8*9*10*11
デッキとしては、赤黒ノワールや「総帥の招集」を採用した赤黒ゴブリンなどがありますが、今回はノワールデッキを紹介。
こちらのデッキを作成する際以下の記事を参考にしました。どうしても血染めの月入れたくてアレンジしました。
yakitori-sunagimo.hatenablog.com
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤緑/グルール編)
・2点火力か象か選べる「暴行+殴打」
・「ゴブリンの太守スクイー」と合わせてスクイーバインドもできる「嵐の束縛」
などがたまに見られますが、この色の組み合わせでは多色のカードよりも、
・森があると強くなる旧モの猿「密林の猿人」
・赤キッカーで2点火力/白キッカーでアーティファクト破壊ができる、旧モのコラコマこと「荊景学院の戦闘魔道士」*12
などの、単色の多色要求カードが多く使われています。
このカラーリングの魅力はやはり速度で、最近は「ステロイド」と呼ばれる赤緑の速攻デッキが成果を上げました。
赤緑ステロイド(第12回GP旧枠モダン使用)ziraiken.wordpress.comとくにこちらの記事、現在(2022年8月/~SNC)の環境を研究し生まれた赤緑ステロイドの記事で、非常に読み応えがあります。
デッキとしても非常に完成度が高いのでオススメです。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(緑白/セレズニア編)
緑白の多色のカードですが、
・インスタントタイミングでデッキからクリーチャーをサーチできる「エラダムリーの呼び声」
・エンチャントに被覆を付与し、1マナと自身の生贄で白チューターになる「真の木立ち」*13
・3/3プロ黒に加えスレッショルド達成でさらに3/3+飛行がつく「秘境の処罰者」
・常時全体1/1修正に加えマナを倍出せるようになる「ミラーリの目覚め」
など、幅の広い優良カードが多く揃っています。*14
また、ペインランドの枠に真鍮の都を入れて赤キッカーも打てるようにした「荊景学院の戦闘魔道士」の採用などもあります。
故に色んなデッキパターンが存在しますが、今回はその中でも「エンチャントレス」に注目。
エンチャントを唱えるとドローができる「新緑の女魔術師」「女魔術師の存在」を置き、「オーラトグ」の起動効果で「怨恨」をサクることでマナの限りドローと強化ができるというデッキです。
ペインランドが多めですが魂の絆でライフを保ち続けれるし、メインから地の封印を4枚採用しているため今流行のカーミックデッキに対して強く出れるというところが魅力です。
カープルーザンの森と真鍮の都はサイドのコラコマ*15の赤キッカー要因です。なので3色ではないカウントとさせてください。
ここから対抗色の紹介となるので土地のダメージが痛くなってきます。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(白黒/オルゾフ編)
白黒には万能パーマネント破壊「名誉回復」があります。
8ratを筆頭にリソース破壊カード自体も結構な数存在するので、上記の赤黒ノワールとは違った別のアプローチをしかける白黒ノワールが成立します。
相手のリソースを削って泥沼に持ち込みつつ、カーミックボンバーならぬカーミックアルター(狂気の祭壇とカーミック2枚で無限ライブラリーアウト)ですべてをどうにかしましょう。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤青/イゼット編)
赤青には「火+氷」があります。
青の打ち消しと赤の火力、それを最も強く使えるデッキはやはりカウンターバーンでしょうか。
白を足して稲妻の天使を取る型もありますが、そのあたりはまた多色編で。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(黒緑/ゴルガリ編)
黒緑のカードは「森の暗き中心」という森をサクると3ゲインのエンチャントと「ヴァティ・イル=ダル」があります。この機会で調べるまで知らなかった。
ちなみにですがこのフォーマットではズアーの宝珠が使えます。
強力なカードが存在しない*16関係で他の組み合わせと違いデッキが組みにくい色ではありますが、「深き闇のエルフ」から黒マナが出ることを活かしたエルフデッキは可能性があります。
エルフに関しては、上記のコラコマ*17がエルフなのを活かして赤を触ったり白を触ったりするパターンもあります。
意外と研究しがいのあるデッキタイプかもしれません。黒緑の項目で話すことじゃない。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(赤白/ボロス編)
赤白の多色のカードは存在していませんが、旧モのバハムート*18こと「荒廃の巨人」が一応赤白のカードといってもいいでしょう。
が、赤と白といえばやはりカーミックボンバー。
赤白の2色だけでも土地破壊を絡ませたデッキが出来ます。
3ターン目に帝国の徴募兵でこの先の2枚のどちらか→4ターン目になだれ乗り→5ターン目霊体の先達でなだれ乗りおかわりというムーブが出来ます。*19
しかもなだれ乗りはエコーコストを払わないことで自殺可能。このためだけに生み出されたような完璧な動きです。
そうして相手がグダってる間に殴り勝つか無限ダメージをキメましょう。
・じゃあどんなカード・デッキがあるの?(青緑/シミック編)
このカラーリングには2/2に打ち消しの付いた「神秘の蛇」があります。
また緑という色ができる動きの幅が広く、そこに青というドロー/打ち消しで潤滑油になりやすいものが入るカラーリングであるため、対抗色がつらい旧枠モダンの中では珍しく様々なデッキパターンが研究されています。
私が知り得る中でも、青緑トロン・【ついえし希望】*20・コントロール・カナディアンスレッショルド・バイオゴリラなど様々な種類がありますが、今回はリスアラームを紹介。
・ミシュラの工廠か樹上の村にリスの巣を付ける
・侵入警報を置く
の状態でリスの巣を付けた土地をクリーチャー化、リスを出すと侵入警報の効果でアンタップするので後は無限にリスを出して勝つというデッキです。
無限リスの横にマーフォークの物あさりで無限ルーター、極楽鳥で無限マナ、2枚目のミシュラの工廠で無限パワー(+怨恨でトランプルも付与可能)も可能です。
とはいえ、土地破壊がそこそこあるフォーマット故に決まらないこともあるので、不可思議で飛行付与をして3/3の象とか村で殴り勝てるようにもしています。
おわりに
二色の各色の組み合わせを紹介していきました。
サンプルデッキも一緒に紹介していきましたが、見ての通り様々なアーキタイプでいろいろなことができるのが旧枠モダンの魅力です。
ここで紹介したもの以外でもデッキパターンは色々あるので、気になった方は是非とも調べてみたり、面白そうだと思ったなら実際に組んでみると楽しくなること間違いなしです。
そして、これを書いている間に晴れる屋の対戦動画で旧枠モダンが取り上げられました。
こちらで使われているデッキは3色デッキということで、次回紹介していきたいと思います。
もし気になって始めたいと思う方、あるいは対戦したいという方がいたら、ぜひとも私含めた近くの旧枠モダンプレイヤーに一声かけていただけますと幸いです。
この塔はいつでも新規入場者をお待ちしています。
次が最後です。
*1:タップインで場に出る二色地形。安い
*2:色マナを生むと1ダメージ。無色マナならノーダメージでマナが出る。安い
*3:ライフを一点払って基本地形2種類のどっちかを持ってくる。高い
*4:三色の地形はこれを書いている今は存在しません
*5:あと緑は極楽鳥やランパンなどで色基盤を安定させることができるのでそこも覚えておくといいです。
*6:ちなみにアーティファクトには、1ドロー付き1回限りのマナフィルター「彩色の宝球」や、相手が土地から出すことのできる色を出す「友なる石」、自分の基本土地から出る色を出す「星のコンパス」もあります。
*7:第四弾「多色編」で紹介します
*8:赤緑は樹上の村を使う
*9:赤青はフェアリーの集会場を使う
*10:赤白はダブルシンボルが多いので出すと困ることが多い
*11:でも赤黒でも黒ダブルシンボルが多いため採用怪しい説が少しある
*12:ちなみにこの2点火力は緑からの発生源なのでプロテクション赤を貫通します。サルプリ・ヴェクパラ対策にもなる良カード
*13:読みは「まことのこだち」
*14:あと7点ゲインと4/5バニラもありますが採用されるのは主に上記4種
*15:荊景学院の戦闘魔道士
*16:破滅的な行為とか魂売りはまだ居ない
*17:荊景学院の戦闘魔道士
*18:Shadowverseのバハムート
*19:2ターン目にゴブリンの砲撃を置いているなら徴募兵投げてから霊体の先達でコンボパーツを拾うのも強い
*20:毎ターンクリーチャーを手札に戻すエンチャントで相手の動きを縛ったり蛇を戻し続けたりする